一、ミクロの必死圏

井戸

 私は今日まで生きてきました、時には誰かの力を借りながら、どうにかココまで生きてきました~あぁー明日からも自分なりに、なんとか生きていくだろうと――。
小学生のころはまだ人生は語れず。やがていっぱしの、でもとり止めのない人生論モドキを、一丁前に語りだしたのは…確か高校生になってからだと思う。

 勉強なんかそっちのけで遊びまくった高校時代。すいたらしい恋の悩みはほんのチョッピリあったような気もするが、生きることや将来に対する不安心配事、さらに怖さなど何処吹く風…あぁそれが青春。
19の頃だったと思うけれど、若かったあの頃何も怖くなかった。ただ無知で世間知らずで無謀な自分が怖かった。
人は皆成長を重ねて行けば往くほど言葉には出来ない、また誰にも打ち明けようのないピンチ(壁)に遭遇する。これが人生途上のハードルと言うもので、避けることはなかなか難しい。だが僕らはこれを越えて行かなければいけない。だから僕は頑張っている人を、みんな人生のアスリートなのだなぁと思う――あぁそれが青春。
振り返ることも回りを確かめることもなく、ただ若さの特権パワーだけで駆け回り、何度もぶつかっては突き飛ばされ、ついに~わぁぁぁー僕はエンジェルなんかじゃぁないけど、左翼が手羽もとからボッキリ折れてしまった。
僕は今キリモミ状態で落下している、一体どうなるんだ~わぁぁぁぁーっと急に身体が軽く弾んで宙に浮かんで揺れた。どうしたんだヘイヘイベイビー?助かったのか、でも動けない。あれは――あの足下の羽根は確かカゲロウの、ここは一体何処なんだ。何かが体に粘着している あ!ししまったク クモだ、ここは蜘蛛巣城なんだ。よせ近寄るな!でかいクモがヨダレを流しながら、ここっちへ く来るんじゃぁない!…聞こえないのか いや声が出ていないんだ。
待てよこ この蜘蛛 お前は誰かに似ている?
あ! あいつだ、しかし何でまた。だ だ 誰かこんな僕の側にいてくれ、こんな僕を誰かHELP! 助けてぇーーーなに?なんなの夢なの――まじ、そうか昨夜久しぶりにお宝鑑定団観たせいなのか、それにつけてもだ、HELPが流れるとイマダにあの方のお顔がジュワワワーッっとうかんでくる。

 まぁ夢だと解っていながら見る夢でも、やっぱり怖い夢や肝~い夢は目覚めが悪い。立膝して寝ていて、急に足をスットンとすると堕ちる夢を見るらしい。でも夢の中だとしてもキリモミ状に落下って言うのは嫌だよね。
〝夢占い〟ってあるようだが、何でもお腹一敗食べてすぐ寝ると、あまりいい夢は見ないと耳にしたたことがある。でもキリモミで堕ちて行くってのはなんだろうか、こんな夢は何が起因しているのだろうか。「あんさんの場合は飲み過ぎとちゃいますか?」かもね。

 現実的にはたとえ窮地に立たされても 、運がよければいろんな人(人の利)の押上引き上げがあったり、見えないが何かとてつもなく大きな力(天の利)で、何とかその危機(ハードル)を超える事ができるものだ。いや僕は事実この力のおかげ、で何度もピンチを越えて来た。そのひとつは東北自動車道での単独事故で、正しく九死に一生をえた事である。

 伊賀の某禅寺が実家という友人は、ハードルを越える力はその人の実力だと言う。さらに実力とはその人が今持ち合わせている実際の総力(体力・気力・財力・思考力・脳力――運・恨・感)だと言う。僕はこの考え方に賛成だ。さらに彼は、言うなればそれは生まれながら持ち合わせた実力だとも言う。頼りがいのある強い力(正の力)、つまり良いプラスの力は人生には勿論頼もしい見方である。ところが同じように持ち合わせたものに、行く先々で邪魔をするマイナス(負の力)の力もあるとも彼は言う。これも頷ける。
だとすれば、人生はこのプラスとマイナスの綱引き~ガチンコ勝負だと言うことだろうか。
考えれば考えるほどこの娑婆世界は、ほんと微妙甚深摩訶不思議な世界である。
ところがどっこい、他力もあって運よく越える事ができたハ-ドルなのに、若いうちは自分が〝俺が〟一人で乗り越えたんだと錯覚してしまう――あぁそれも青春。
しかし、障害を上手く越えられない時はさぁ大変!世の中がああだ、いやセンコウが悪いのどうのこうの、親がどうで挙句の果ては夜明け間際の吉野家で、全く関係ない向かいの席のオヤジが見苦しいなどと人を責める…あぁこれが青春なんだなぁ。

 中間試験?の真っ只中だったように思う。その日は部活はなく遊び相手もいなく、珍しく一直線に帰宅。橋を渡り小川の土手を歩いていると、突然おキツネ様のお嫁入り(※1)。その思いがけない雨は一時激しく降り、雷鳴とともに間もなく止んだ。
誰もいない家を出て、東の空に大きな虹がかかる土手を一揆に上がり川原に下りた。
晴れ上がった青空に、金の絹糸を引いたような柔らかい雨が音もなく流れて消えた。
なんとも良い草いきれのする岸から、ややえぐれた対岸スレスレの緩やかな流れに赤虫を流す。水深は40センチほどか、7~80センチほど流れたところで極小ピンポンウキがスーッと停まって沈んだ。こ気味よい引きとともに美しいコブナが釣れた。その後も正しく一投一尾、同じスポットでウキが小気味よく消し込んだ。
先ほどからやや下流の低く靄が垂れる淀みで、何か大きな魚がドッタンバッタン跳ねている。おそらくカムルチー(タイワンドジョウ)が、手足の出かけたオタマジャクシか小魚を追っているのろう。
※1:晴れているのに突然の雨。由来は知らないが、僕たちはこれをキツネのお嫁入りと言っていた。黒澤明作品の『夢』のワンシーンに、このお嫁入り行列があったが、とても幻想的な映像だった。

 釣れているコブナは丁度スズメ焼のサイズで、眩しいほど奇麗なマブナである。
小一時間ほどでバケツの中は見る見る真っ黒。甘露煮!――いいや総べてリリースして自宅に戻った。
こんな時間に家に居ることなんかめったになかった。 ふとTV点けると『トム&ジェリー』が仲良くやっている。めったにアニメ観ないんだが、なにかジェリーが企んでいる。

 このアニメはサイレント、そのせいで画面に釘付け。何?なるほど、トムが寝ている間にジェリーが床のものを全て天井に打ち付け、天井と床を入れ替えトムをビックリさせようと言う魂胆である~成なるほどなぁ――こんな悪戯思いつかなかったなぁ。
準備万端やがてトムが目を覚ます。ココから最後までおっかしくって笑っちゃって腹が捩れそう、もうだめ誰かお願い僕を助けて!コレ密室劇。観ている僕の部屋も密室、僕は思わず拍手した。
と、次の瞬間テーブルの下から何かが僕の視界を横切った。何か居る、いや錯覚か。
座布団を小脇に抱え、そのまま横になり、立肘をつきTVをぼんやり眺めていた。⇒

 〝密室劇〟僕はそんなには観ていないと思う、映画だとタワーリング・インフェルノやダイハードがそうだよね。
デモね、僕はクルト・ユルゲンス vs ロバート・ミッチャム主演『眼科の敵』やっぱこお来ると思った。誤変なさいこれ招かれざる客、ほんと多いんだ。『眼下の敵』3回目やっと出たマン、これ一押し。
「あんさんなに言うてんのこのアンポンタン、眼下の敵は密室劇じゃぁあらしまへん!」そうかもしれない、でも僕はUボートの乗組員になって薄暗い密室で必死に戦っていたんだ。
原題は『THE ENEMY BELOW』地獄の敵(艦)でいいか。ドイツ映画だったら〝眼の上のタンコブダッチ〟?違うよ頭上の敵。こんなのあったよね『12 O’clock High』「ハイこれは頭上の敵機ですねぇ、はい懐かしいですね」
映画はグレゴリー・ペック、僕が好きなのはTVシリーズ:主演、当初はロバート・ランシング。僕と同年輩だったらご存知の方も多いと思うが、TVシリーズ87分署(※2)の刑事訳がピッタンコだった。目元はちょっとだけスティーブ・マックイーンに似ているんだけどややきつ目。それで吹き替えは誰だったか?宮部昭夫さんだったか覚えていない。
マックイーンの吹き替えは後に内海賢二さんに代ったが、個人的には宮部さんのほうがマックイーンらしいと思う~余計な事だがね。
※2:アメリカの推理作家の巨匠エド・マクベイン小説のシリーズ化。

 それにしてもロバートはホリが深かかった。実は僕も友達から〝奥目〟なんて言われ、幼馴染の天才タケボンは僕の目のことを〝大阪城石垣の隙間蛍〟なんて言う表現をしていた。まったく上手いよね、でもランシングにはとてもじゃぁないけど適わない。

 僕は大ファンだったんだ、でもいつの間にか主役が代っていた。と言うよりはまた違った爆撃部隊の話?かな、と思っていた。
ところが何でもアメリカでの女性視聴者に人気が無くて、主役が代ってしまったと言う。ほんとうかなぁ、女性が戦争映画を態々見る事もないと思うんだけど。
いつの間にか甘いマスクのポール・バーグにキャップ交替だって~そんなもんですかねぇ、それともストーリーでは戦死したのだろうか。ロバートよかったのに、でもさぁロバートはもしかしてドイツの軍服のほうが似合ったかも。

 時は第二次世界大戦、ヨーロッパの大空が舞台。ドイツ本土爆撃命令が下り、イギリス空軍基地から飛立ったアメリカ空軍戦略爆撃機ボーイングB-17(※3)フライング・フォートレスの大編隊。ちょっと待てよスーパー・フォートレスだったかな?
乗員は10名ほどか、爆弾を詰めるだけ積込み、上下前後に旋回式など2連機関銃座を、さらに左右横っ腹にも機関銃2座装備でガッチリガードした、ほんと名前のとおりまさしく空飛ぶ要塞。この要塞、どう考えても視角がない。

 一方ドイツ空軍だってモチロン黙っていない。頭上の敵米空軍戦略爆撃機を迎え撃つは眼下の対空砲火。雨アラレって言いたいところだが、まるで大砲玉の嵐の中の編隊飛行。BONNG! BONNG!当たらないほうが不思議なくらいの対空砲火。
B-17 3番機クルー「機長!右翼エンジン発火!オイル漏れメイデイ・メイデイ」黒煙を引いてまさかまっさかさまに堕ちていく、この要塞一機お値段の鑑定や如何に?
1番機、機銃射手「編隊長2時敵機2機襲来ブロロロDODODODODODTTO!」
B-17に、まるでスズメバチのように襲い掛かるドイツ空軍迎撃戦闘機Bf(ME:メサーシュメット)109だったか90かちとわからねぇ。迎え撃つB-17はブローニング12.7ミリ機銃一斉照射BASYUSYUSYUSYU! 真っ赤に燃えた(モノクロ映画だが)機銃弾痕が糸を引く。独軍Me被弾!左翼が付け根から折れて飛び散り、キリモミで堕ちていく。
独軍パイロット最後の一声「天皇陛下万歳!」違うはハイルマン・フューラー!「さらば偉大なる我が…」って、これも違うよ呼のは「Hilfen filfen!リリー!ヒルフェン!マルレーン!」ってやっぱり恋人の名前だろう、えぇ!中には彼氏のお名前をってか嘘っそだろ。
ストーリーは毎週同じパターンなんだが、飛行機大好きなものだからTVに釘付け。
空中戦や爆撃シーンの一部が実録フイルム使用なのか、実戦さながらのど迫力。
※3:ボーイングB-17はやがてあのB-29スーパーフォートレス・エノラゲイに進化している。でもさぁ、日本軍パイロットが日の丸鉢巻で頑張ってる時にだ、アメリカ軍は戦闘機にノーズペィンテイングで牙にしたり、愛機に自分の彼女の名前付けたり~この余裕これにはやっぱり勝てないは。でもなぁ、ゼロ戦にハナやミヨちゃんじゃぁおめぇ――。「そうB-17のシリーズ『メンフィス・ベル』も映画化になりましたねハイ」

 そうだいけない、いつの間にかルートを逸れてしまった~進路再びヒトヨンマル。
本編第二次世界大戦真っ只中、南大西洋を単独で航行する最新鋭米海軍駆逐艦。
洋上は快晴微風、大戦中とは全く思えない穏やかさ。だがこれは嵐の前の束の間の静けさ。
やがて水平線に陽が落ちて――うん!何か単独航行の物体がレーダーにコンタクト。敵か見方かそれとも、進路140速度維持、一瞬にして艦内に緊張が漲りつめる。
外は嵐、せっかく洗艦したばかりの駆逐艦が雨でびしょ濡れ。

 重く不安な長い一夜が明け、洋上は晴れ。ヨーソロ「ソロソロ浣腸」怒るでホンマ!
「艦長そろそろお茶にしますか、それともおにぎり暖めますか」ってそんな余裕こいてる場合ではない「右舷進路140敵潜水艦発見!BUU BUU BUUー」
「ハイお茶どころではないですネェ それでどうしたんでしょうね」
一方レーダーの影の正体ドイツ海軍Uボート艦長 「潜望鏡をあげろ!」~「これ違いますね、違いますがこれも戦争アクション・コメデイですね、笑って感動いい映画ですハイ、ズバリUボートもありましたねぇ」
Uボート艦長米海軍駆逐艦をほぼ同タイムで発見!「急速潜行開始、深度○○全員戦闘配置につけ!」~「えらいことになりましたねぇハイ」 KOON KOON KOON――

 果てしなく広大な洋上で、まるで大海原を漂う浮木の様な駆逐艦が、悪戯な運命の太い綱に引き寄せられるかのように、宿敵Uボートに遭遇してしまった。彼方ならどうる?
「ハイすぐ逃げますね争いはきらいです私 はい」
しかし、ここから両軍の真っ向勝負!ついに闘いの火蓋の幕が切って落とされる。これを〝がちんこ勝負〟って言うのか、でも使わない。「ハイそのあとどうなったんでしょうね 私心配ですね」

 敵と味方お互い眼下と頭上、忍び寄る影。眼に見えない恐怖、Uボート頭上に容赦なく落ちる無数の爆雷 BOMBUNG!BASSYAー! 方や駆逐艦に迫り来る魚雷の推進音JYUWAWAWA――!「戦争ですね嫌ですね怖いですねハイ」
双方一歩も譲る事のない息詰まる頭脳戦。「両者ハイ実力は互角ですね」容赦なく落とされる駆逐艦の爆雷がついにUボートに命中か?BOM!BUN!GRAグラグララー。
潜水艦の狭く閉ざされた密室 ・ ・ ・ STILL。 シーSound of Silence is Golden 沈黙は?金音を立てるな!息をするな~んなアホな。
「汗まみれの乗組員、クルト・ユルゲンス油く いや!男臭いですね。ミッチャムメッチャムクッチャム良いですね、ハイあの眠そうな 眼もとが私好きですね、可愛いですね。」さっきから一体全体あんた何処の何方?
敵駆逐艦のレーダーに映らないよう、極限を超える深度で息を凝らし、ひたすら耐える手負いの?Uボート。極度の恐怖からついにブッチ切れ、大型レンチを掲げる乗組員!誰か彼らを救いたまえ――。
Uボート浮上の機はあるのか?そして両者が最後にとった捨て身の作戦とはいかに!
「ハイもう時間来ました、続きはツタヤに行ってください ハイさよなら さよなら」

 この映画、中学生時代上本町で見た記憶がある、だがその後再上映とTVでも何度も観た。息詰まる沈黙の闘い。タイム、あの人のシリーズにないよね。
手に汗握る闘いの行方はいかに。ラスト救援艦隊の米艦上で、艦長が一息入れる。
艦長胸ポケットから煙草を取り出し先ずは一服。ブランドはなに?そんなの解るか!
でも無いか、勿論ゲルベでもジタンでもない。チラッと見えたのは白っぽいパッケージ。確か赤か黒かのリングだったような――とするとラッキーストライクか(※4)。
眠たそーうな煙たそーうな眼のロバート・ミッチャム、煙草をやる演技もなかなかのもの。あの大柄な体に小さなシガレットがよく似合う。晩年呼吸器系疾患で亡なったそうだが、おそらく大好きだったんだろうなぁ煙草…人事じゃぁないが、まぁシガーだねぇが。

 南大西洋上だけど日本晴れ!まずレースの緞帳が下り初め、館内の明かりがゆっくり点く~場内アナウンスが映画の終了を告げる。なんでセカスんや!もう一回観たかったのに、タカトシ君が「お好み焼き行く」って行ってもた。
このラストシーンで多くの愛煙家が一斉に煙草に火をつけた。映画館を出ると上本町六丁目も雨上がりの快晴だった。この頃までは市バスや電車の中でだ!モチロン映画観ながらでも煙草吸えたんだ、凄いだろ。
※4:だとすると未だフィルターつきじゃぁなく、両切りのラッキーストライク。この煙草、両切りだが味も香りもソフトで最高。なんだけど、なかなか売ってる店がなかった煙草。東京港区浜松町大門第一京浜の交差点角に小さなタバコ屋があった。半信半疑で「あのう両切りラッキーあります?」と「ありますよ、うちはタバコ屋だもの」と笑顔で怒られる。そのほんの数年後、このお方と同じ自治会の役員になるなんて、ホント世の中解らない。

 それから、もチョッと遡って12 Angry Men=腹ペコの男じゃぁないよ。『12人の怒かれる男』はTVのロードショウ?でも観たんだがモノクロだった、これカラーじゃぁないよねぇ。
大好きなヘンリー・フォンダ(※5)とリーJ・コップの他は、登場人物にあまり認識が無かった。しかし観るにつれ画面に釘付けになる内容。コレも陪審員12人が、裁判所の控え室で繰り広げる正しく密室劇。
ラストは雨上がりの朝、。モノクロ映画なのに、爽やかな朝の空気感がとても印象的だった。コレもアレも観たくなってきた、頭上の敵、メンフィスベル、さらば愛しき女よ――エトセトラ、ツタヤ来てくれるんだってね、でも行く。
※5:日本語吹き替え、確かオヤマダ・ムネノリって言ったか良い声~グレゴリー・ペックの城さんも最高。ロディ(クリント・イーストウッド)のルパン山田ヤスオさん、他の声優も皆さん総べてワンダフル、エクセレント。日本の吹き替えってほーんとピッタンコカンコン、でも僕は他のお国のは聴聞した事がない。聞きたいよな市っさんやオードリー、それにシュワちゃんのチャイニーズ。

 邦画密室劇だとTVで放映された『震える唇』かなぁ、これは一回観れば充分、でも役立った。コレって映画?ドラマだったのかなぁ ねぇ渡さん十朱さん。
そうそう黒澤作品のずん ずん 『どん底』、コレもある種の密室劇と言えるよね。長屋で暮らす人たちが繰り広げる人間模様、内容はあまり覚えていないけど。
押し入れだったか、腰掛けてなにやら話しているシーンはやっぱり密室だよね。羅生門は?そうだホームアローンやナイトミュージアムもそうか。チャンバラや西部劇の密室劇あるかも、必ずあると思う。大奥は?どうなのかなぁ、広すぎるか。

 映画は転げまわるほど、お腹がヨジレて苦しくて死にそうになるオモロローも良いけど、息ができないほど緊張する映画も良いよね。 『山猫』は何処まで〝室〟と考えるかが問題だけどよかったねぇ。
「一体お前は何者なんだ」 あのシュワちゃんのプレデター。「ハイ、怖かったですネェまぁ醜い奴ですね。これはデイープ・フォレスト〝密林〟と言う空間でしたねハイ。あんなの居たらいやですネエ、屋久島か富士の樹海にネェ?ハイ、怖かったのは最初だけでしたねハイ」ほんとだね。

 その昔深夜放送で観たんだが、個人宅のパーティに招待された主人公。2階のトイレを借り、ふとしたことからトイレが詰まる。さらに水が止まらない。対処すればするほど、逆に水が溢れ大パニックを引き起す。コレ死ぬまでにもう二度観たい!
ミスター・ビーンの様な気もするが、一人密室で見ていてとにかくお腹が捩れ涙が出て死ぬかと思った。ツタヤにはないらしい、タイトルは『ザ・パーテイ』か『ザ・パニック』か。
もっと密室な映画観たくなってきた。 例えばバス・電車・エレベーターの中とか、公衆のアレやコレや、タクシーとか――ウムタクシーか待てよ!刑務所の中とか病院とか、 棺なんてありそう!
いけるかも、書下ろすか!「コケおろされるだけでっせ」だけど棺に入ってからさぁ、あの世での履歴も書きたいなぁ、後輩の為にもね。タイトルはそうだなぁ、やっぱり『天国と地獄』。そうだ!天国と地獄の違いはねっと、これまた後でゆっくりやるとしよう。これほんとお楽しみに!
繁華街と同じで、本編より横道や路地の話のほうがほんとオモロロー。そんでなんの話しだった?そうそう。

 1974年春 元麻布で患い完治した筈の胃が、再び痛み出したのは数年後品川八潮ウォーターフロント(※6)に越して間もない事だった。
※6:こう言えば聞こえは良いけど、タクシー乗って「品川ウォーターフロント八潮パークタウンお願い」って。すると運転手さん〝はい〟で良いのに念押しの一言、「八潮団地ですね」その一瞬密室に冷たく重い空気が垂れ込める、ほんと意地悪メッ!

 も一つおまけ、渋谷百軒店で飲んでると友人が「俺んちで飲もうぜ」と言う事で、道玄坂からタクシー乗ると友が「近くて悪いんだが田園調布頼むよ」ときたもんだ。
話には聞いていたんだが、彼のお住まいはお調布の田園らしい。でも着いたところは東多摩川、なんだけど建物は〝メゾン○X田園調布〟だって、よーくある話。奈良では「富雄でもブルーシャトー学園前とはこれいかに」なーんちゃって。「なんのなんのもっともっと大物がおますやおまへんか」なんだよ「千葉の浦安市なのに――なぁ」でもなぁ、あの地形はどう見ても東京都なんだけどねえイノッチ!買い取れば、あぁあ――イノッチそんなに汗かいちゃってどうしたんだよ…ねぇ!ったら。ところであの浦安市を買い取るとしたら、さてお値段ハウマッチ~ドン。

 幸いにも越した我が棟1Fに、津山クリニックがあり診察を受けるが造影剤久しぶり。
「はいゲップしないでね」と言われるとゲップ~ウっと余計に出るものだ。ビールなら2~3杯は軽く入るが、あの石膏のようなモノだけは2度と飲みたくなかった、でもグラスは僕好み。
味は若干工夫改良されたとは言え、やはり「不味い!またもう一杯」で結局3杯。
先生曰く「お客さんいけますね」なんて言ってないが、造影剤:例えば錠剤でもカプセルでもいいから、簡単に飲めてそれでお腹の中でドロッっと膨らむもの出来たのかなぁ。
でもさぁ、検査結果を待つ間っていやだよねぇ。色んな事が脳裏をかすめる…やっぱりタバコ一日3~4箱良くないのかなぁ、とかアルコールは暫く止めよか、いいやそうじゃぁない!と逃げてみたりしたりして。
短な物差しと小さなハカリの自分流医学で、アレコレでっち上げたり、僅かな人生だけどチョッとだけ振り返えり懺悔してみたり、取り留めの無い悪念妄想に惑わされるのは何故。

 後日、津山先生が嬉しそうに「立派な潰瘍です!」と、僕にレントゲン写真を見せる。見てその潰瘍の大きさに、何これったらタラコ?これじゃぁ痛いのも無理はない。
薬が処方され素朴な質問「先生、お酒は大丈夫?だ よね」ワインが大好きな先生が「少しくらい」と笑って許す。
先生の言う少しくらいは赤ワイン一本、ソレを日本酒に換算すると。と言うことで日常生活習慣止められない変えられない、意志薄弱この上なし。
しかし処方箋薬投与3日後、胃の痛みは嘘のように消えた。良い薬があるんだねぇ!それとも日本酒効果。

 ところがまたほんの数年後、47号から33号棟に歩いて移ってすぐに胃が痛み出した。何故!? 早速津山クリニックに行くと、暫くの間救心って急診いや〝休診〟って何んでまた。
仕方なく(ごめんなさい)近くの苑山クリニックに行く。是までの経過や症状を話すと苑山先生は、「一応血液検査をしてみましょう」と来たが何故?個人的秘密情報を他人に渡すのもチェックされるのも初めてだが、妙に体中の血が騒ぐのは何故なんだろう。

 結果、先生はピロリだのヘリコプターなど聞きなれない曲者(※7)が居るという。俺の密室で好き勝手をやっているらしいが、何時どうやって忍び込んだのだ?お前は一体何者なんだ、何処からやって来たんだ。
※7:曲者(くせもの)=怪しい油断ならないモノ、じゃぁ作曲者や編曲者はどうなるの?「うーむ――」この〝曲者〟って文字なんとかしなくっちゃいけないよね。癖・臭・苦世・句施・駆世・屈――ヤッパ外に無いけど屈者でどうかなぁ。
ヘリコバクター・ピロリは、昭和30年までに生まれた人に多い菌だと言う。こヤツ普段はオトナシクしているらしい、だが一旦スイッチが入るととんでもない悪戯をすると言う。この屈者はもしかして僕の従兄弟か親戚か。

 この悪戯モノは胃潰瘍や最悪〝癌〟に発展するトラブルメーカーで、その原因は井戸水だと言う。なるほど井戸水なら納得、しかし何で今頃動き出したのよ?捨て身の作戦か。
すぐさまピロリとピロリバスターとの沈黙の闘い、息詰る壮絶な戦いが日夜続く。ぜひ、俺の腹の虫が治まる実況中継が観たかった。
でもどうせなら『ミクロの決死圏』のミクロ潜水艇にラクエル・ウエルチと一緒に乗り込んで、僕の胃袋の中へ行きたかった?ンナことできんのか(※8)。
一ヵ月間の戦いがすんで夜が明けた。初夏の雨上がり、まるで戦い抜いた僕を讃えるかのような大きなレインボウアーチが輝いて、気分はソーグッド。
再検査の結果ピロリンは絶滅、胃痛はケロリン、両切りラッキーストライクのほんと美味かった事~思わずチェーン・スモウキング。
※8:できるんだ、今は胃カメラがある。一昨年(平成24年)京都大学医学部付属病院に入院。胃の痛みもないのに、久しぶりに胃カメラを飲んだ。管も随分細くなり、違和感はそんなにない。横になり、麻酔液を鼻腔から吹きかけ、麻酔がモワアァ~ンと効いてきたら鼻からカメラを入れる~この瞬間からモニターでバッチリライブを見ることができる。そう~ミクロの決死圏~スリル満点、胃袋まであっと言う間~腸まで行け!これも一押しサイレント本物密室劇。何でも金魚(ロボット)の胃カメラがあるんだってね。水と一緒に飲み込んで、リモコンで胃の中スイスイ泳いで肛門から今日はなんだって。他にも検査方法があるけれど、また何時か。

 あぁあれから早ン十年、その後胃痛が無く造影剤が飲めなくて残念である。
この頃から急にピロリ菌やその治療・予防対策のTV番組が増えた。
そんな情報番組では、ピロリ菌にはヨーグルトや乳酸飲料が良いと言う、そうなんだアレを飲み続ければよかったのか――でも井戸水ねぇ、ちょっと飲み過ぎたかなぁ。

 ここで津山先生のオモロロ~臭い一口小話。
先生〝尿検査〟たまに患者さんのソレを舐めるんだって。えぇ!味見なの。
そうスガシガオで、ワザワザ実演されたの zoom zoom zoo~m up
先生 尿カップ左手に持って徐に右人差し指をカップに突っ込んで、その指をペロッと!あれえ?巻き戻し2倍スロー再生、舐めたのは薬指でした、先生!

◎もう一度観たい気になる映画の、まだ観ていま10
『ワーロック』 『大西部への道』 『自由の大地』 『12人の怒れる男』 『裸の島』 『大魔神』 『地底探検』 『海底2万マイル』 『ウイロー』 『ジゴ(主人公の名前)』=観たい順
「ハイ邦画が二つ入りましたねハイ」~マダマダ沢山ありますが…「それではみなさんハイさよならサヨナラさよなら」
これは僕の口笛→ 「兎美味しいあの山 小鮒つり師あの川 夢は今もふむむむーむむ」小学生4年の秋に行った遠足は、富田林金剛山麓の兎狩りだった。弁当時間に出た兎汁?は普通の肉のような味でとても美味かったけど、「けど、なんでっか?」あれはトンダ汁だったんだって。

 TUTAYA思ったより近くにあったんだ。確かこの辺りにABC(阿倍野ボーリングセンター)があったんだ。梅田のOBC(大阪ボーリングセンター)に続く、関西第2号館がオープンしたのが中3時代?だから1960年頃のこと。
TUTAYAは白壁の落ち着いた建物だが、出来ればアイビーを壁面に活着させて欲しいなぁ。すると蔦館で、なんだ同じかなどと考えながら入って『眼下の敵』ありますか?
「ありますが、今貸し出し中のようです。」他にワーロック ありますか?娘の妹くらいの女子にワーロックと言うワードがツタヤわらない、結構しんどいでしょこれ。
「レンタルありませんが、販売であります、今なら3枚で3千円のキャンペーンあります。」 ヘェェェェェ50へェ。
眼下の敵¥1,800 ワーロック¥1,800 高ぁ…『大西部への道』ありますか?「今アマゾン調べています、あるようですが販売は?×」 で2枚予約、あと一枚何にしようか考え中。6枚¥?,000で手を打たないですか!そうですか、駄目ですか。
♪思い込んだら行くが男の生きる道 我が儘は男の罪 ソレを許してチョーダイ。

 ⇒右のホッペが何だかモゾモゾくすぐったく、うっすら目を開けた。どうやら座布団枕に寝てしまったようである。
するとどうだろ、その信じられない光景に愕いた。ななんと手のひらにスッポリ収まりそうな真っ白の子ネズミが、僕の右脇に頭を突っ込んでグッスリ寝ているではないか。
頭隠して尻隠さずの子ネズミは、お腹を上に向け怖い夢でも見ているのか、時々ピクリピクリと全身を振るわせてる。しかしなんて可愛いんだろう――食べちゃうぞ。

 彼が目覚めないようにそーっと起き上がり、台所の菊正宗をコップに入れ、ストローを持って戻った。
よーく寝ている、本当に気持よさそうにスヤスヤと寝息を立てているようだ。
ストローをコップに入れ吸い口を人差し指で押さえ、そーっと半開きの口もとへ――。
極微量の菊正がうまくチビマウスの小さなマウスに入った!すると、てっきり目を覚ますかと思いきや、チビは美味そうに舌なめずりをした。お替りか?「ピクッ」~そうかじゃぁ、も一ついかがなんてお前、妙に色っぽいじゃぁない。
結局チビは四度お替りし、そのまま爆睡。仕方なくコップに残った菊様を一気飲み、僕もチビともう一度添い寝。
小一時間も経っただろうか、目を開けるとチビがヨタリながら押入れの方にに帰っていく、やがてほんの少し開いた襖の向こうに消えた。
僕は振り向いてもくれない彼をただ黙って見送った~元気でな、またやろうな。